朝の通勤ラッシュを想像してください。
道路が空いていれば、車はスムーズに流れます。でも、どこかで事故があったり、工事をしていたりすると、そこで流れが止まる。すると、そこから後ろにずっと渋滞が伸びていく。
体の中でも、同じことが起きています。
体の中には、常に何かが流れています。血液、リンパ液、脳脊髄液、組織の中を移動する水分。これらが滞りなく流れているとき、体は元気です。
でも、どこかで「渋滞」が起きると——組織が硬くなったり、ねじれたり、引きつったりして通り道が狭くなると——流れが止まる。すると、その先に届くべきものが届かなくなり、そこに溜まるべきでないものが溜まる。
不調の多くは、この「渋滞」から始まります。
痛みも、こりも、だるさも、冷えも。原因はさまざまですが、体の中の流れが止まっていることが、その奥にあることが多い。
私たちの仕事の大きな部分は、この「渋滞」を見つけて、通り道を開くことです。
痛みは、嫌なものです。
できれば感じたくない。すぐに消したい。それは自然な気持ちです。
でも、ちょっと考えてみてください。
もし、痛みがなかったら?
火に手を近づけても気づかない。骨が折れても歩き続けてしまう。内臓に異変が起きても放置してしまう。
痛みは、体からの**「ここ、注意して!」**というメッセージです。
警報装置のようなものです。火災報知器が鳴ったとき、報知器を壊せば音は止まります。でも、火事は消えていない。
痛み止めは、報知器の音を止めているようなものです。もちろん、痛みが強すぎて日常生活に支障が出るときには、薬は大切な助けになります。
でも、痛みそのものが「敵」なのではない。 痛みは、体が「何かが起きている」と教えてくれているサインです。