6-1 ほんとうの治療者は誰か

ここまで読んで、もしかしたらこう思ったかもしれません。

「オステオパシーって、すごい治療法なんだな」

少しがっかりさせるかもしれませんが、正直に言います。

私たちは、あなたの体を「治す」ことはできません。

第1章を思い出してください。膝を擦りむいたとき、誰が治しましたか? あなたの体が、自分で治したのです。

私たちがやっているのは、体が自分で治る力を発揮できるように、邪魔になっているものを取り除くことです。

渋滞を見つけて、通り道を開く。ねじれをゆるめて、柱のバランスを整える。テントの張りを調整して、透明な川の流れを助ける。

それだけです。

第1章でお話しした通り、体を治すのは、いつもあなたの体自身です。

私たちは、その力が働ける環境を整える「お手伝い」をしているにすぎません。


6-2 魔法ではない

世の中には、「この治療法で何でも治る」「一回で劇的に変わる」といった話があります。

正直に言えば、そういうことはほとんどありません。

もちろん、一回の施術で大きく変わる方もいます。でもそれは、「たまたまその方の体が、そのタイミングで大きく変わる準備ができていた」からであって、魔法ではありません。

私たちは、科学的に説明できる範囲で仕事をしています。

筋膜のつながり。頭蓋骨の構造。脳脊髄液の流れ。グリンパティック・システム。これらはすべて、解剖学や生理学に基づいた話です。

神秘的な力を使っているわけではない。 体の仕組みを理解して、それに沿って働きかけている。それだけのことです。

「エネルギーが見える」とか「オーラが読める」とか、そういったことは私たちの仕事ではありません。